下手な鍼灸師 福岡の環寿堂からだの郷鍼灸院
患者様にいただいたほうれん草がものすごく美味しそうで楽しみです♪
まずはおひたしでいただこう♪
さて、環寿堂からだの郷鍼灸院院長の小野です。
診療をしていると、よく、『先生は職人さんだね!』と言っていただけます。
『腕が良いってことですか?』と、大喜びで問いかけると、
『それはあるんだけど、ちょっと違う。』と言われます。
そこで考えてみました。『腕が良い』って、何なのでしょう?
腕が良い→狙ったところ,狙った深さに鍼を打つのがうまい
という定義でいけば、私はたぶん、技術がない部類に入ります。
当院では円皮鍼という種類の鍼を多用します。と、いうか、ほとんどこれしか使用しません。
円皮鍼はシールタイプの鍼で、スポーツ選手が好んで使用します。
フィギュアスケートの羽生結弦選手が愛用しているのは有名な話ですね。
水泳選手は試合時には貼れないので注意が必要ですが、日頃のコンディショニングには重宝します。
非常に有用なのですが、患者様の中には『こんなシール貼っただけで効くわけない!長い鍼を刺してくれ!』と仰られる方もいらっしゃいます。
きっと、その方は長い鍼を昔からされてきたのでしょう。
そして、それを期待して私のところに来てくださったのだと思います。
しかし現状では、私は基本的には長い鍼を使いません(一部、円皮鍼が使えない部位、頭皮などには使う場合があります)。
となると、当然長い鍼を刺す技術は身につかないわけで、私は下手な鍼灸師ということになるでしょう。場合によっては、学校で勉強中の学生に敵わないかもしれません(⌒-⌒; )
では、私はダメな鍼灸師でしょうか?
腕が良い→改善するのがうまい
と考えていただいた場合には、自分でいうのもアレですが、うまい方だと思います。
改善するのがうまい鍼灸師は当然、たくさんいらっしゃいます。
身体のポイントを探り当てるのがうまい、ちゃんと改善させるためのプロセスを持っている。鍼を打つ前からちゃんと、打ったらどうなるかの結果が見えている先生方が該当すると思いますが、私もこちら重視の鍼灸師です。
でも、これはうまい。という表現ではなく、単に知っているかどうかの問題だと思っています。
腰痛の治し方を知っている、脊柱管狭窄症、五十肩、膝痛、股関節痛、治し方を知っていたら、当然簡単に治せてしまいます。
逆に、どんな名人と呼ばれている先生でも、全く知らない症状の患者様が来られた場合には治せません。知らないから。
鍼には色んな流派があり、その流派の中でも先生の好みによって使用する鍼が異なってきます。
となると、もはや同じ治療は存在することすら難しいです。
個人個人がその中で、病気を効率良く改善していくために試行錯誤しているからこそ、技術の向上があるのでしょうね。
鍼灸は医療のカテゴリーに属する学問ですが、職人と呼ばれるのはこういう理由があるのかもしれませんね。